今回は私のモニタースピーカー Audioengine A2+を9ヶ月使ってきたので長期レビューする。なぜこのスピーカーを購入したのか、そして、このスピーカーを使用してきて感じた良い点、悪い点を紹介している。また、小型で高音質のスピーカーが欲しい、という方にはAudioengine A2+は最良の選択肢になるかもしれないので、ぜひ見ていってほしい。
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スピーカーの小型化が目的
まずはじめに、私がこのスピーカーを購入した経緯について紹介する。
スピーカーの導入前は、この黒いスピーカーを使用していた。元々壁に取り付けられていたものらしく、それをそのまま持ってきた感じ。
音質はかなりいい。大きさこそパワー、と言えるくらい癖がなく透き通ったサウンドを提供してくれる。DTM(音楽制作)並のスペックを兼ね揃えている。
ただ致命的な問題がある。それが、大きさ。大きすぎて一つは寝かしている。写真では小さく見えるが、実際に座って見ると、かなり邪魔である。
周辺機器、ケーブルを徹底的に排除したい
もう一つは、周辺機器を徹底的に排除したい、という考え。黒のスピーカーの場合、別途USB-DAC、アンプが必要。上記のデスク画像だと緑っぽいのがアンプで、その上にあるのがUSB-DAC。煩わしいケーブル類があるのと、それぞれに音量調節つまみがあり面倒。これらが一括になるだけでメンテナンスが容易になり、生活の質が向上する。
一時期はあまりにも邪魔で、外付けのスピーカーを排除していた。ただ「原神」というゲームに没頭したことで再びスピーカーを降臨させた。イヤホンと違って遅延がないのと、モニタースピーカーだけあり圧倒的な臨場感。音質と臨場感を取るか、小さいスピーカーで妥協するか。
小型で高音質のモニタースピーカー
そこで購入したのが今回のAudioengine A2+。このスピーカーは、このコンパクトサイズでモニタースピーカー、要はDTM(音楽制作)に耐えうるスペックを持つ。
タイプ
2.0パワーアンプ内蔵(アクティブ)マルチメディア・デスクトップスピーカーシステム
アンプタイプ
デュアル・クラスABモノリシック
出力
最大出力トータル60W(15W RMS / 30W 1チャネル最大出力), AES
ドライバー
2.75inch アラミドファイバー製ウーファー、3/4inch シルクドーム・ツイーター
寸法
15cm(H) x 10cm(W) x 13cm(D)
重量(L側スピーカー)
1.6kg
重量(R側スピーカー)
1.4Kg
小型で高音質、これに尽きる
ここは私が熱く語るよりも、画像や公式ページを見たほうが早いだろう。これだけのスペックをこのサイズによく収められた。
まず筐体そのものがシンプルで美しい。このスピーカーを選んだ理由の半分がデザインにある、と言ってしまっていいくらい。いかにもDTMゴリゴリ、というよりも、小型でハイエンドな方が私は好き。
そしてこの製品は、USB-DACとアンプを内蔵している、いわゆる万能型スピーカーである。ケーブルも周辺機器もぐっと減らすことが可能。また、Audioengine A2+はBluetooth接続にも対応しており、まあ最強というわけ。
音質はパーフェクト、低音は少し弱い、らしい
私が聞いてみた感じ、やはり音質は最高に尽きる。アンプが優秀なため、前述した黒いスピーカーよりも広がりがあり、解像感も高い。繰り返しになるが、このコンパクトサイズで高音質なのがこの製品の付加価値。
ただレビュー等を見ると、低音が弱いらしい。確かに前述した黒いスピーカーと比較すると若干低音が負けてるな、という印象。ただ慣れでカバーできるレベル。オーディオ素人(私)から見れば、もう満足。
少なくとも隣のEcho dotと比にならないくらい音質、解像感ともに高い。
イコライザで化け物になる
イコライザで調整すれば好みの音質になるのは当たり前の話だが、良いスピーカーだとこれが顕著。もともとの音質、解像感が高いスピーカーだから、ガラッと雰囲気を変えられる。このスピーカーの弱点である低音をイコライザでカバーすることができる。
相当デカイ音量が出る
普段私が利用するときは、ダイヤルは40%(4/10)、PC側は27%(4/15)くらいの音量で使用している。実質10%くらい。モニタースピーカーなだけあり、本気を出せばカラオケ並にむちゃくちゃでかい音が出せる。流石に鼓膜破れるからやらないが。
Audioengine A2+の弱点
このスピーカーを9ヶ月使用してきて、少しイマイチだったところもあったので紹介する。
USB接続がMicro USB
一番最初に強調したいのが、USB接続がMicro USB(USB Micro B)であること。Micro USBとは、昔のAndroidスマホの充電ポートで、耐久性が非常に低いのが特徴。今はこういったスピーカーではUSB-Cが主流であるが、今回のAudioengine君、Micro USBなんですね…
ただ据え置き型スピーカーで普段から抜き差しするわけではないため、ギリギリ妥協できるといったところ。
スピーカ単体でイコライザがない
また、このスピーカーは操作できるパーツが、電源兼音量操作とBluetoothボタンの2つしかない。モニタースピーカーでよくある高音、低音の調整は単体では不可能。そのため低音をブーストしたいといった場合はPC、スマホ側でイコライザを調整しなくてはならない。
再起動がかなり面倒くさい
スピーカーで再起動?と思うかもしれないが、スピーカーに電源が入った状態で放置すると、PC側でスピーカーを認識しなくなる事がある。使わないときはOFFにするのが無難だと思うが、スイッチが後ろ側のため、結構手を伸ばさないと届かず億劫である。
また、電源と音量ダイヤルが同じため、毎度決まった音量に設定する必要がある。モニタースピーカーなだけあり、少しのダイヤル調整でかなりの音量が出るため、結構面倒くさい。
価格が4万円
そして価格が4万円。この4万円をどう見るか。アンプ、DACともに内蔵していて、PCならUSB接続が可能で、スマホならAptXで接続可能。基盤や素材も結構いいものが使われているのはわかるが、4万円は高すぎ。私が購入したときは3.2万円くらいで購入できたから、3万円台ならおすすめできたんだけどなー。
モニタースピーカーは必要か?
私はこのスピーカーを購入して本当に良かったと思っている。ただ、最近になって再び悩みを凝らしているところ。
Audioengine A2+は市場にあるモニタースピーカーの中で最もコンパクトで高音質というのを両立している、私にとってかなり理想的なデバイスだ。しかし、つい最近、更に優れているデバイスを見つけてしまった。
Apple Studio Displayええやん
それが、AppleのStudio Displayだ。27インチ5Kの高精細ディスプレイと最強のスピーカーを両立。これが私に大きく刺さってしまった。
Appleのディスプレイが手に入れば、Audioengineで抱えていた悩みが一気に解消する。ケーブルはThunderbolt3と電源の2本のみだし、スピーカーも内蔵してるからさらなるミニマム化が期待できる。イコライザは不明だが、3Dオーディオ的なのもあるし、ディスプレイも5Kと文句なし。最強。
Appleの弱点は、Appleデバイス以外では動作が保証できないところ。あと値段くらいだろうか。
モニタースピーカーほど音量は必要ない
あともう一つ言うなら、モニタースピーカーほどの音量は私には必要ない。スピーカーは70%くらいの音量で最適と言われているため、10%の私はフルに使い切れていない。ただこれ以上小さい音量のモニタースピーカーは多分存在しない。よくあるBluetoothスピーカーだと音質がガクッと落ちてしまう。でもモニタースピーカーは過剰性能。小型で最良のスピーカーはないだろうか。
有名所では、再びAppleのMacbook Pro14, 16。ノートPCの中ではトップクラスのスピーカー音質を備えているらしく、70%くらいで最適な音質も理にかなっている。これほどの最適解は他にないと思うが、それはそれで犠牲にするものが大きすぎる。
最上級を味わうと戻りにくい
今回のAudioengine A2+は本当に良いスピーカーである。良いスピーカーが故に他のスピーカーに妥協ができなくなる。Audioengineはもっとクリアな音質だった、こんなにこもっていないし安定してる、と。
そしてここ最近再びAudioengine A2+の好感度が上がっている。音楽が本当に音楽してるし、適当なTVコンテンツも全く違う臨場感を演出するようになる。コンテンツの没頭に火がつくと、良いスピーカーは本当にいいのだと実感する限り。
繰り返しになるが、このコンパクトさで最良の音質を実現した唯一のスピーカーがAudioengine A2+である。ガチのDTMでない限りは満足できると思う。私は3万円で購入して、3万円なら十分コスパがいいと思うから、安い時を狙って購入するといい。