突然届いたパンフレット「ノートパソコンをお譲りします」というパンフレットについて解説する。突然届いてびっくりした人も多いだろう。今回は、これがどのようなPCなのかを、パソコンオタクの私が徹底的に解説する。そして、どのような人におすすめかを解説する。
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全国的なPC需要
これを言うタイミングがもう遅すぎではあるが、コロナ禍で在宅ワークが強いられる現代社会になった。こうなると、そろそろ一人一台PC持ってないとやばいよね。
持っているのが当たり前
まさかだと思うが、パソコンを持っていない人はいないよね?私はスマホだけでいい、iPadでよくね?という人もいると思うが、そういった特殊な人を除いては、PCは必ず一台はあったほうが良い。
「ノートパソコンをお譲りします」だってさ
そして突然きたパンフレット。ターゲットは、未だにパソコンを持っていない人になるだろうか。「そろそろPC導入すべきかな」といった層に対して、地元でイベントを開催することでお客様を集める、といった戦略だろう。
「お譲り」とは何だったのだ
「お譲り」とデカデカ書いてある癖に、お金は払え、といった始末。ボロボロでもいいから、無料で欲しかった。現実は甘くない。
定期的なPC入れ替え品
大企業などで使われていたPCを入れ替える際に、要らなくなったPCを私たちに提供するというのが本来の目的。
業務用ノートPCは強い
メルカリの画像で申し訳ないが、このような業務用ノートPCは思ったよりも高性能である。
末尾にMがついたCPU
- Core i5 2520M
- Core i5 4300M
世代的には2~4世代で、最新のものは11世代まであるので10年前のCPUであるが、これが10年前とは思えないくらい高性能。
同じ4世代のCPUで、
- Core i7 4500U
と比較したものがある。
Passmarkで回してみると、こんな感じ。スコアで比較すると20%の差。また、ベースクロックが雲泥の差であり、ネットサーフィンで大きな差が出る。その分消費電力は高め。
- 末尾がU ・・・ 省電力だが当時の技術では快適とまでは言えない
- 末尾がM ・・・ 比較的消費電力が高めだが、最新のPCと同じ快適さを実現
今回紹介されたPCも、このMシリーズである可能性が高い。下位モデルを除いては。だから、CPUを単純に見れば、割といいことをしているように見える。
公式サイトが全て
なんと、公式サイトが存在する。ここにあるPCが資料でも提示されている、といった感じ。
必要最低限のスペック【三種の神器】
ここで、初心者のためにPCの選び方を解説する。この3つさえ抑えておけば、ハズレを引くことはない。
1.CPUは強いものがいい
CPUは、すべての計算、制御をする部品である。最も重要なパーツと言ってしまっていい。
Passmark 5000以上
まず、これは必ずしてほしいが、「(CPU型番) Passmark」と検索し、上記のスコアを確認してほしい。
- Core i5 1065G7
- Ryzen7 5700U
- Celeron n4020
下線で引いた部分が型番である。似たようなCPUがあり、11900K、11900Hの違いでも、K(デスクトップ)、H(ノートPC)で全くスペックが異なる。よく確認してほしい。
末尾がMの場合、2500以上
また、末尾がMである場合、Passmark2500以上あるのが望ましい。末尾がUの場合、5000以上ないと快適でない。
2.メモリは8GB以上
メモリは2GB、4GB、8GB、16GBと、2の累乗で増えていくイメージだが、8GB以上をおすすめする。
4GBは連続利用が厳しい
メモリよく机の広さと例えられている。PCも、次使うデータを横に備えることでパソコンを高速化させている。4GBでも最初は快適だが、Excelやウェブサイトを使っていると、急に動作が重くなることがある。8GBあればネットサーフィン、Zoom程度でメモリがボトルネックになることがない。
3.ストレージはSSDを選べ
次に、ストレージだ。絶対SSDを選んでほしい。HDDや、無名のストレージ、Optineメモリーは完全に無視してほしい。
SSD一択
何度もいう。それ以外は選ばないでほしい。SSDになれば容量は120GB以上あるのがほとんど。初めてのPCなら十分な容量。
上記の3つさえ守れば、後悔することはない。
最安モデルはゴミ、選ぶな
さて、PCを見ていこう。メモリ4GB。すでにゴミ。ただもっとつらいのは、ストレージがHDDであること。上記でSSD一択と言ったが、もうゴミである。CPUなんてどうでもいい。さようなら。買う価値なし。
初心者向けは完全な嘘
よくこういったゴミPCを初心者向けとして売っている企業があるが、はっきり言って最悪。人としてありえない。情弱もいいところ。これを受け入れた地方自治体も、どうか見直してほしい。
動作が遅め = 初心者向け は謎
なぜ初心者にゴミのようなPCを与えてしまうのか。謎である。初心者には、PCでは「~ができる」といったPCの可能性を提示すべきである。そして、好奇心を作らせる。ネットサーフィン程度でも構わない。
好奇心をも潰す
しかし、こういった詐欺PCは、好奇心をも潰す。PC嫌いになってしまうと、他のハイテク機器に抵抗、苦手意識が出て、やがては情弱になる。こういったイベント開催して、結局情弱を排出していると考えると、心が痛くなる。
お前も駄目じゃん
察しのいい方ならもうおわかりだと思うが、隣に表示されている上記のPCも、ゴミ。メモリが4GBであるため、強くおすすめしない。そして、ここからCore i3と表示がされているが、型番が不明なので最悪動作が極端に遅いのが来るかもしない。来ないかもしれない。いづれもおすすめはしない。
これより上のPCも、おすすめしない
画像の2つ以外にもPCの候補があるらしく、このように必要十分を一応満たしているPCもある。でも、あまりオススメしない。
スペックが高かろうと、中古である
一度洗浄したのは知らないが、中古であるというのは事実。パーツ自体が劣化していたり、ホコリやチリが溜まっていたりしている可能性が高い。
中古PCのデメリット
ここからは、中古PCのデメリットを解説する。
バッテリーが持たない
バッテリーはまじで持たない。持ったとしても1~2時間位。バッテリー自体の劣化もそうだが、この時代はACアダプターを繋げて運用するのがほとんどのため、バッテリーが持たないのは仕方がない。
デザインがおっさん風
また、業務用であるため、デザインが今のものとは全く違う。全体的に黒い見た目で、どうしても若い人には馴染めないと思う。マニアックな人は別だが。
逆に言うと、雑に扱うことができるというのはメリットになるかもしれない。落としても罪悪感がないというか、劣悪な環境で使うならありかもしれない。
重量がある?
機種によるが、一般的に昔のPCは重量がある。バッテリーを外すことができたり、メモリを増設できたり、取り回しが効きやすいというのはある。その分重量があったり、本体が分厚かったりする。
本体の薄さも重要
重さより「薄さ」にも注目してほしい。最新のPCは、非常に薄いものが多い。よく持ち運びをする人にとっては「重量」より重要になる。リュックやケースに入れるとき、薄いと気軽に持ち運びしやすい。
ディスプレイの品質が悪い
また、ノートPCに搭載されているディスプレイも10年前クオリティ。現在の主流がフルHD(1920×1080)に対して、古いPCはHD(1366×768)である可能性が高い。ピクセル数にして2倍の違いがあり、ドットの粒が目立つようになる。
また、解像度だけでなく、液晶の視野角も狭い。少し下から見ただけで白くなったり黒くなったりする。
クリエイティブは厳しい
ネットサーフィンやワープロなど、テキスト中心ならまだいいが、写真、動画編集など、グラフィックを扱うようなものは厳しい。もちろんゲームも無理。ただ「もっと動作が早ければいいのに」と思うタイミングが来たら買い換えればいい。その段階でPC上級者だから。
6万円で最新かつ最強のPCは手に入る
最新かつ性能が高いPCが、現在なら6万円で手に入る。セール時はもっと安くなる。中古のPCを5万円で購入するより、最新のPCを6万円で購入したほうが幸せになれる。
下に上記と同等のスペックを持つPCを載せておいた。
Amazonの中古PCはもっと安い
中古でも別に良い、という人は、Amazon整備品など、更にコスパの良いPCがある。3種の神器(必要十分なCPU、メモリ8GB、SSD)は全て満たしており、値段は24500円。JEMTCの最安モデルより安いのに、後悔のない必要十分なスペック。もうこれでいい。
PCを持っていないのはやばい
最後に強調して言いたいのは、今PCに触れたことがない、といった人は、これから先どんどん時代の流れについていけなくなる。ハイテク化の波に遅れ、そんなのも知らないの、できないのか、という社会になっていくのだ。特に、若い人でPCを持っていない人は、早急にPCに積極的に触れるようにしてほしい。
まとめ・感想
今回は、PCを譲るポスターに対して文句を言った。あんなゴミPCを平気で売ろうとする会社がやはり恐ろしい。また逆に、PC入れ替えまでずっと大企業はこれらを使っていたのか、と思うと、生産性なさ過ぎだなって思ったね。もちろん十分なスペックを持つものもあるけど、5万円は高すぎ。