今回は、本宮駅の新駅舎が完成したということで、訪れてみた。ただそれだけではあるが、やはり、新しい施設というのは見応えがある。こう見えて私は新しい建築物や、鉄道が好きである。ということで、今回はこの新駅舎になった本宮駅の魅力を解説していく。
contents
遅延した駅舎開発
本来は、去年の今頃には完成していた。しかし、色々あって工事の着工が遅れてしまった。合計して3年くらい待たされたのかな。
2019年の水害
2019年、台風によって、阿武隈川が氾濫、本宮に甚大な被害が発生した。本宮市は、昔から水害があったらしい。しかし、ここまでの規模を自分の目で目撃したのは初めて。
特に、駅に向かう道(上の写真)や近くの公園は、比較的地盤が低いため被害が多かった。ピーク時は5mの浸水で、水が完全に引くまで4日もかかった。
地盤の追加工事で2年の遅れ
基礎工事として、地中深くに柱を埋め込むのだが、想定より地層が柔らかく、地盤を補強するため改良工事が必要になった。
更に、基礎工事中に硬い岩石が見つかったことで、それを破壊する工事も必要に。想定より2年遅れることになった。
3年も仮設駅舎と共にした
工事中はずっと仮設駅舎を利用していた。待ち時間は基本的に外かホームで過ごすことになる。いやー長かった。
モチーフは豊かな自然と利便性向上
東西をつなげる利便性の向上と本宮の豊かな自然を感じる駅
(1)ガラス面を大きくすることで安達太良山等の地域の風景を取り込む構造
(2)自由通路出入り口部分の外壁面を交代させることで圧迫感を感じないよう配慮
https://www.city.motomiya.lg.jp/soshiki/33/motomiyaekitouzaijiyuutuurokyouyoukaishi.html
と、ホームページに書いてあった。本当にそのとおりなのか検証していこう。
両サイドからアクセスできるように
今回の進化ポイントは、両サイドからアクセスできるということだ。それまでは、東側からしかアクセスできなかった。
西側の道は国道4号線に直接繋がり、最近では西側の新住宅などの開発がどんどんされている。
改札を二階に持ってきた
これに伴い、改札を2階に持ってきたのも大きな変更点。上りホームでも下りホームでも平等にアクセスできるのが強み。普段1番ホームしか行き来しない人からすると、いちいち階段を登らないといけないのが手間になるかもしれない。
ひっろーーーい
天井が高い。横のスペースも広い。窓も相当でかい。もう満足だ。この開放感は地元だからできたこと。景色の良さを強みにした設計はさすがだ。
地元愛が強い展示物
過去の本宮駅の資料が展示されていたり、生徒の作品が飾っていたりなど、地元愛が強い展示物を設置しているのも流石だと思った。
駅舎の外観
続いては外観だ。
西側
こちらは西側になっているが、まだ道路側が完成していない。
最終的な理想はこんな感じ。4号線から真っすぐ伸びる道路から直接本宮駅にアクセス。道路ができるまではもう少し時間がかかるみたい。
現在は仮の道路が設置されている。完成が待ち遠しい。そして今日はなぜこんなに曇ってしまったのか…
もちろんホーム側も新しくなった。外から見るとこんな感じ。あまりにも箱っぽくて、違和感。
西口の形に似せてるから、あえてコストカットとして窓をつけなかった説はある。
東側
写真を取るのを完全に忘れたが、はい。多分こんな感じだったと思います。
中身は最新の環境
中に入れば快適そのもの。新駅舎らしい壁の質感、天井のLED、ユニバーサルデザインの採用、素晴らしい。
改札はどうした
改札は逆に寂しい。非常に広々としているが、なんか物足りない。
入場と出場で少しずらしたほうが良かったのでは、と思うが、なんか残念。というか普通にいつもの改札を採用してほしかった。
ホーム側に入場
課金した。あんな感じの改札だから買うかどうかも迷ったけど、一応購入した。
何度見ても窓からの景色はいい。そして相変わらずホームへ続く階段の違和感がやばい。
なんて美しい
ホームへ続く階段はこんな感じ。真っ白。なるほど、こうなっていたのか。そして意外と通路細いんやね。駅よりも周辺の景色、地元愛を大切にしているという様子が伺えるわね。というかホームの細さ的に無理があるか。
どうですかこの白くて美しいボディー。鉄骨の入り方も無駄にこだわっている感じがある。ここを隠すのではなく、見せるデザイン、私は大好き。
今回から、「列車が来ます」の標識も導入したみたい。そんなことより「6:00 郡山行 普通」の看板を求めていたけど、最近は緑のデバイスに置き換わったから、東北周辺は廃止してるよね。悲しい。
お前を絶対許さない。
今風なデザイン
3番線 下り 福島方面
もはや都会では当たり前なデザインではあるが、ようやく地方にも導入してくれた。これでいいんですよ。
2番線 万能なホーム
ちなみに隣は2番線になっており、台風時などの折り返し運転に対応する。定期的に線路を慣らす?ため、昼間の時間帯に上り、下り列車を連れてくるようにしている。また、たまにSLが走ってきたときなどに、2番線に止めて客を集めている。
1番線 上り 郡山方面
別のホームに移動。正直ホーム狭いな、って思っているが、地元だから実はこれで必要十分だったりする。なわけあるか。
今まで活躍した旧駅舎、階段
こちらは旧駅舎となっている。今までずっとこの駅舎を利用してきたんやね。
ここが仮駅舎。都会では考えられえないかもしれないが、地元ならこの程度でも駅として成立する。今までご苦労だった。
ホームが長かったからこそできた工事
今回の駅舎は、既存のホームにただ新駅舎をつなげただけ、というと理屈が通るかもしれない。もともと、本宮駅は割と大きい駅であった。例えば、福島県の偉人で知られている「野口英世」は、この本宮駅を利用して東京方面へ行ったんだとか。今は郡山に全て取られてしまったが、昔はすごい街だった、らしい。
何故かおいてあったピアノ
そして、なぜかアップライトピアノが設置されていた。ついにイベント会場まで兼用した本宮駅。
駅構内に響く音色
今日はたまたま作曲家がピアノを弾いてくださったため、音色を聞くことができた。これがね、すごくいい。駅の奥までしっかり音色が響いていて、正直写真撮っている場合じゃないな、と思ったくらい。まじで感動した。
完成してくれてよかった
3年間ずっと待ち続けていたが、ようやく完成してくれた。駅の利便性ももちろん上がったが、地元の良さをとにかく詰め込まれていたと感じた。ぜひこれからも大切に利用していこうと思う。