外部モニターに興味があるとか、現在のノートPCだけじゃ物足りないな、と思うこともあるだろう。そこで今回は、初心者向けにモニター、ディスプレイの選び方を解説する。この記事を見れば、たくさんあるモニターの中から最適なものがすぐに見つかるから、ぜひ見ていってほしい。
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用途別の最適解
コスパ重視のモニターはこれだ
HPから、21.5インチのモニターだ。1万円台で購入できて、コストパフォーマンスに優れている。スタンドなどの質感も良く、見た目で選ぶのも悪くない。
ゲーム用途ならこれだ
ゲーミングに特化した、リフレッシュレート高めのモニターだ。144Hzと非常にヌルヌル気持ちがいいディスプレイである。こちらも2万円台と、ゲーミングの中では相当コスパのいいモデルだ。
少し値は張るが、ウルトラワイドモニターという横長のモニターも没頭性が高く非常におすすめだ。
ビジネス向けならこれだ
ビジネス特化なら、解像度が高めのディスプレイを選択するといい。フルHDの2倍の解像度を誇っているから、タブを同時に開いたり、画面分割をしたり、生産性向上にぴったりだ。こちらも2万円台で購入できるコスパ良し製品。
動画編集、クリエイター向けならこれだ
クリエイター、意識高めのビジネスパーソンの方は、更に解像度が高い4Kディスプレイがおすすめだ。色の再現性もsRGB99%(機種によってはDCI-P395%)と高く、USB-Cの接続に対応するからPCとケーブル一本で接続できる全部入りモニター。クーポン適用で3万円台で購入できる。
PCモニターの違い
ここで上記で示したモニターをすぐにポチるのもいいが、具体的にどの項目においてメリットが有るのか、どのような違いがあるのかをここで解説する。
画面サイズ
画面サイズは、モニターの対角線の長さがサイズの指標となる。
- 4-7インチ ・・・スマートフォンの画面サイズ
- 12-17インチ・・・ノートPCに採用されている画面サイズ
- 20-23インチ・・・小型でスペースを取らない、画面サイズは小さめ
- 24-30インチ・・・一般的なサイズ
- 30-40インチ・・・PCモニターとしては大型、机を大きく占領する
- 50インチ以上・・・大型テレビ(家電では50Vと表示)
上記で示したとおり、一般的な用途の場合20インチ〜35インチを選択するといい。また、モニターの縦置き、複数のモニターで運用したい場合も画面の大きさを考慮するように。
あと、15インチ程度のモバイルモニターもあり、PCの横に臨時的に使うのがおすすめ。
解像度
次は解像度だ。ディスプレイはドット(点)の集まりで、このドットが大量に集まることで映像として表現する。この点の数が多ければ多いほど高精細になり、細かいところまでくっきりきれいに描写できるようになる。
呼び方 | 比率 | 解像度 | 特徴 |
---|---|---|---|
フルHD, FHD | 16:9 | 1920×1080 | 一般的な解像度 |
WUXGA, フルHD+ | 16:10 | 1920×1200 | FHDが縦に伸びた |
QHD, 2K | 16:9 | 2160×1440 | フルHDの2倍 |
WQXGA | 16:10 | 2560×1600 | Macbook Air |
WQHD | 21:9 | 3440×1440 | QHDが横に伸びた |
UHD, 4K | 16:9 | 3840×2160 | フルHDの4倍 |
WUHD, 5K2K | 21:9 | 5120×2160 | 4Kが横に伸びた |
数字ばかりであるが、PCモニター選びではFHD、QHD、4Kの3つを基準として覚えておくといい。解像度が高いほど作業領域が広く、生産性向上に役立つ。
画面比率
次に画面比率だ。
- 16:9 ・・・一般的なモニター、現在主流のテレビ
- 21:9 ・・・少し横長なモニター、ワイド映画はこれ
- 16:10・・・正方形に近いモニター、最近のノートPCで採用されがち
21:9など、横に長いものはウルトラワイドモニターと呼ばれていて、主にゲームでの没頭性を高めたり、動画編集でプレビューを横長に表示したりするのに役立つ。
一方、正方形に近いモニターは、縦の表示領域が広いため、主にビジネスソフトやWeb閲覧時に有利。特に省スペースで表示領域を拡張できるため、最近ではモバイルノートPCなどで主流になりつつある。大きいモニターだとあまりメリットはない。
特殊な使い方をされない限りは16:9でいいと思う。
リフレッシュレート
次はリフレッシュレートだ。基本的に60Hzが一般的で、一秒間に何回画面が入れ替わるかを示す指標になっている。当然この数値が高いほど画面の書き換えが頻繁で、残像感が少ないだとか、ゲームに有利だとか言われている。
基本的にリフレッシュレートが高いモニターほど遅延が少ないため、瞬間的なアクションが必要なゲームの際に重要になってくるポイント。
コントラスト、視野角
格安のディスプレイだと、コントラストや視野角が不足しているモニターもある。
コントラストとは、黒と白をどれだけ明快に区別できるか、というもの。最近は1000:1あるのが一般的だろうか。安いモニターだと、全体的に白く滲んでいたり、文字のフォントが読みづらかったりする。また、ゲームやアニメを見る際ぼやっとした印象になる。
視野角は、見る方向によって画面の変色があるか否か、という感じ。液晶の種類だったり、格安のモニターだったりすると、視野角が狭く、少しずれただけで白っぽくなったり黄色っぽくなったりする。
ディスプレイ色域(映像クリエイター向け)
映像クリエイターの方は、ディスプレイの色合い、表現度合いも確認してほしい。必ずしも、ディスプレイの色と実際のリアルの色が一緒になるとは限らない。また、ディスプレイはずっと使っていると劣化し、当初とディスプレイの見え方が違っていることもあるため、定期的なキャリブレーションが必要になる。
- sRGB・・・国際規格、Windowsの標準の色域で、各種アプリケーションやWebコンテンツはこれに最適化されている。ただし、高彩度な色を扱えない
- Adobe RGB・・・sRGBより色域が高い。特にGreenの領域が広く、より鮮やかな色を再現できる。出版、印刷ではスタンダード化している
- NTSC・・・アナログテレビ方式の色域規格で、Adobe RGBに近く、映画製作に用いられる
- DCI-P3・・・主にAppleデバイスに採用される。sRGBがベースで、NTSCと同じく映画製作にに用いられる
この規格は、モニターだけでなく、PC、編集アプリ、カメラ、全てが対応していないとうまく反映されない。
映像クリエイターでない人でも、少なくともsRGB95%あれば綺麗に描写される。
HDR
HDRとは、ざっくりいうと明るいところをとにかく明るく表現し、暗いところを暗く表現するものだ。ただ、頻繁に使うわけでもないし、普通にコントラストが高いモニターのがゲームをやる上なら有利。あと、HDRは画面が明るくなるから目が疲れやすくなるのも注意。もちろんHDR映像クリエイターは必須になる。
ディスプレイの種類
項目 | TN | VA | IPS | OLED(有機EL) |
---|---|---|---|---|
視野角 | × | △ | ○ | ◎ |
コントラスト | △ | ◎ | ○ | ◎ |
色の再現度 | △ | ○ | ◎ | ◎ |
遅延・応答速度 | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
価格 | ◎ | ○ | ○ | × |
ディスプレイの種類は大きく4種類あり、TN, VA, IPSが液晶なのに対して、OLEDは有機ELタイプである。
TNは応答速度が早く安価なためゲーミングモニターなどに採用されている。IPSは液晶の中でも色再現性が高く、普及率も高い。VAはその中間の立ち位置で、コントラストが高め。
TN, VA,IPSは液晶で、一枚のバックライトを通じて色を出していたのに対し、OLEDは1ドットがそれぞれ光るから、全てにおいてトップクラスの性能を持つ。特に、スマホ用のディスプレイは殆どがOLEDになっている。ただ、価格が圧倒的に高かったり、そもそもモニターとして販売するメーカーが極端に少ないのであまり現実的ではない。
基本はディスプレイの違いで解説した、画面サイズ、解像度、画面比率、リフレッシュレート、コントラストの項目で判断すれば大丈夫。
実際の選び方
ここまででどのようなモニターがあるかが分かったと思う。じゃあモニターを選ぼう、となったときに、いくつか注意してほしいポイントがあるので解説する。
端子は大きく4種類
まずは端子類だ。映像出力端子は大きく4つに分類される。
USB-C | DisplayPort | HDMI | DVI | |
---|---|---|---|---|
映像+音声 | ○(2台)+USB | ○(2台) | ○ | 映像のみ |
主な出力元 | 最新ノートPC | デスクトップPC | ゲーム、PC、等 | 古いPC |
形状 | USB-C | ミニDPもある | Mini, Microもある | 不明 |
4K60p/1080p144 | DP Alternate | 1.2以上 | 2.0以上 | 2Kまで |
お手持ちのPCが、どの映像出力に対応しているかを確認しておくことが重要。また、ケーブルや出力先のバージョンによっては、最大の解像度とリフレッシュレートで表示できない場合がある。
最近のモニターにはHDMIかDPは必ず搭載しているため、古いモニターでない限りはどちらかで大丈夫。
万能なUSB-C
最近登場したUSB-Cは、とにかく万能。映像出力だけでなく、USBとしての機能、そしてPCへの充電、給電もできる。また、裏表を気にせずに差し込めるのも強い。Androidの充電や、最新モバイルノートPC、Mac等に搭載されている。
USBハブ機能の有無
モニターの中には、USBハブが搭載されているモデルも存在する。画像では、USB−Cで映像を写す際に、ハブ機能が利用できる。
複数のPCでマウスを共有できるKVM機能
さらに、KVM機能に対応したモニターであれば、PCに応じてUSBハブの出力先を切り替えることができる。複数のPCをお持ちの場合非常に便利な機能だ。ただ、USB-C, KVM対応は値段が高め。
モニタースタンドの機能
高価なモニターには、優秀なスタンドが付いていることが多い。高さ変更や左右、前後はもちろん、回転する機能まで存在する。
普段頻繁に動かさない人でも、台座部分がブーメラン型だったりするとスペースを有効活用しにくい。
モニターアームはVESA規格を確認
また、モニターアームを使用する人は、VESA規格の有無も確認しておくといい。PCモニターのVESA規格とは、100×100、または75×75mmのネジ穴のことを指す。大抵はこのネジ穴があるはずだが、格安のモニターにはついていないことがある。確認してほしい。
その他機能
- 自動輝度調整
- リモコンでモニター設定
- Chrome Cast機能
- スピーカーの有無
他にも機能があり、自動輝度調整は主にBenQやAppleデバイスに搭載されている。リモコンはいらない。Chrome Castもいらない。
ただ、スピーカーの有無は確認しておくといい。ただ、モニターに搭載されたスピーカーは音質が不十分なことが多い。スピーカーの推しがかかっていないようなら、別途でスピーカーを用意したほうが無難。
メーカーをチェック
ここまでで、どのようなモニターがあるか、そして注意するポイントも理解できたと思う。ここからはメーカーについて紹介する。メーカーによって要注意なものもあるため詳しく解説する。
Dell
Dellのモニターは、格安モデルからモニタースタンドが優秀なことで有名。格安モデルから先程述べた回転機能などが搭載されている。
モニターの種類が豊富で、コスパ重視、ゲーミング、ビジネス、クリエイター向けと、幅広いニーズに対応している。
BenQ
BenQのモニターは、特に機能性にこだわっていて、自動輝度調整やリモコンの操作性が非常に優秀なことから最近話題になっている。このメーカーもモニターの種類が豊富だ。
ASUS
ASUSもモニターの種類が豊富で、ROG, TUFというゲーミング向けから、ProArtという映像クリエイター向けのモニターなど、色々揃っている。
I・O DATA
I・O DATAもコスパのいいモニターを販売している。品揃えはそこまで多くないが、ビジネス用途で最適解なものが揃っているので一応確認してほしい。
その他
- HP
- ACER
- EVICIV(主にモバイルモニター)
- LG
- MSI
他、PCも販売しているようなメーカーであれば信頼性が高い。逆に、おすすめできないメーカーもあり、ここでは紹介できない。聞いたことのないメーカーだったり、極端に安かったり、写真がおかしかったりしたらよく考えるように。
適切なモニターの選び方
あとは選ぶ段階になる。上記までで、どのような条件が良いかが分かったと思う。
- モニターサイズ
- 解像度 & リフレッシュレート
- 色域
- 端子類(USB-C)
これらの条件を使って最適解のモニターを見つけることができる。
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範囲は少し広めで
特に、ウルトラワイドモニターの場合、条件の型に含まれていない場合がある。そのため、もしウルトラワイドモニターを選択する際は、解像度をもう少し選択、または下の解像度(縦)で1400以上で入力すれば、十分なスペックのモニターが手に入るだろう。
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最近は、どのようなモニターが売れるかが安定しているため、Amazonランキングを信用してもいいと思う。そのランキングを見て、十分な解像度、条件が当てはまったらポチっていい。
適切なモニターを選ぼう
今回はモニターの選び方ということで、どのような点に注目すべきかを簡単に解説した。在宅ワークが当たり前になる中で、日々の生産性向上だったり、ゲーム、アニメ、映画などをしっかり見たい、という方も多いだろう。テレビで十分という人も、ノートPC一台で十分という人も、モニターを購入すればまた違った楽しみ方ができる。ぜひモニター選びの参考にしてほしい。