今回は、Dell XPS13 9310を借りることができたので徹底的にレビューする。前回はXPS15をレビューしたが、今回のXPS13も魅力がたくさんある。XPS15の魅力をぎゅっと押し込んだ、小型なのにハイエンドなXPS13を、今回は詳しく解説していくので是非見ていってほしい。
本ブログは、デルアンバサダープログラムのモニターに参加しています。
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Dell XPS 13開封
早速開封だ。Dell XPSはフラッグシップだけあり、箱が豪華。早速XPS13が顔を出した。
第一印象、「小さっ」と感じた。そう、これがこのXPS13の本当の魅力。
付属品
- 45W USB-C ACアダプター
- 取扱説明書
- USB-A 変換アダプタ
45Wなので小型な部類だが、相変わらず電源ケーブルがかなり太い。XPS13はUSB-PD(30~45W)に対応しているから、別途で小型の充電器を購入するのがおすすめ。
また、XPSは端子がUSB-Cのみで、普通のUSB-A端子がない。付属品として変換アダプタがついている程度なので、本格運用したいならUSBハブやUSB-C対応モニターを購入しておくといい。
コンパクトでスタイリッシュなデザイン
金属アルミボディは本当に美しい。Macと近い素材だが、エッジが尖っていたり、側面が光沢感のある削り出しだったりと、デザインのこだわりが非常に高い。
開くと今度は黒ベースの高級感あるデザインとなっている。パームレストの素材はカーボンで、指紋がつきにくく丈夫であるのが特徴。また、高解像度モデルだとディスプレイがゴリラガラスというスマホと同じくらいの強度を誇るものが搭載されている。
そして、Dell XPSといえばこの超極細ベゼル。この極細ベゼルのおかげで画面占有率が非常に高い。そして、13インチの中でも極めてコンパクトな筐体サイズを実現している。
このPCは、私から見れば「とにかく可愛い」に尽きる。なんですかこのおもちゃ。UMPC(小さいノートPCの部類)を思い出すようなサイズ感。でも実際は13インチ。うむ、最高。
側面はアルミ削り出し加工で非常に美しい。薄さも14.8mmとかなり薄い。
今回のXPSも非常に頑丈である。Macと比較すると傷がつきにくいらしいし、ディスプレイもスマホと同じゴリラガラスが採用されている。繰り返しにはなるが、13インチとしては1.2kgと意外と重量があるのでそこだけは注意。
ギリッギリまでに配置されたキーボード、タッチパッド
そしてこの美しいキーボード。他社製PCだと、端子類の関係で端に余白のあるノートPCが多いが、さすがXPS。端から端までしっかりキーボードになっていて、キーピッチにも余裕がある。バックライトにも対応。
また、タッチパッドも13インチとしては大きめ。使い勝手については後半でレビューする。
端子類
次は端子類だ。こちらもXPSお得意のUSB-Cのみ。無駄がない引き算の発想が、このXPSを引き立てていると感じている。
- USB-C(Thunderbolt4, USB-PD)
- MicroSDカードスロット(UHS-Ⅱ)
- 3.5mmオーディオジャック
- USB-C(Thunderbolt4, USB-PD)
左右に分散されたThunderbolt4
Thunderbolt4に対応したUSB-Cが2ポート搭載されている。5Kのディスプレイ、高速なストレージ、USBハブを利用した拡張、PCIe接続による外付けGPUなどに対応している。
特に嬉しいのが、この端子が左右に分離されていること。多くのノートPCは片側のみからしか充電ができなかったが、XPSはどちらからでも充電が可能。最強。
スペック
次は提供していただいたDell XPSのスペックだ。
CPU | Intel(R) Core(TM) i7 1185G7 |
GPU(内蔵) | Intel(R) Iris(R) Xe Graphics |
メモリ | 32GB オンボード DDR4X 4267MHz |
ストレージ | NVMe 1TB SSD |
ディスプレイ | 13.4インチ 3456×2160 有機EL タッチ対応 |
本体重量 | 1.23kg |
大きさ | 厚14.8mm 幅295.7mm 奥行198.7mm |
提供していただいたXPSは第11世代Intel系CPUを搭載している。型番は若干異なるが、XPS9315、XPS9320では、第12世代のCPUが選択でき、圧倒的な高パフォーマンスが期待できる。
CPUパフォーマンスは控えめ
Intel第11世代のCPUは期待外れ。発熱が異常に高いため、各メーカーとも電力を抑えていてパフォーマンスが控えめになっている。これはIntelが悪い。
XPS13(本機) | Inspiron14 | Macbook Air | XPS15 | |
CPU | Core i7 1185G7 | Core i5 1135G7 | M1 | Core i7 10875H |
TDP | 28W | 28W | 15W以下 | 45W |
CineBench R23(Si) | 1434 | 1151 | 1511 | 1225 |
CineBench R23(Mu) | 4093 | 2932 | 6981 | 7556 |
体感 | 高速 | 遅い | 高速 | 高速 |
今回もCinebenchで比較。あくまで参考程度。Core i7とはいえ4コア8スレッド。やはりクロックに制限がかけてあり、Core i7 1185G7として見てもスコアが伸び悩んだ。
コスパモデルのInspironと比較すると、かなり快適
同じDellからInspironというモデルのPCとも比較した。同じく第11世代のCoreシリーズで、本来ならほぼ同程度の性能になるはずだが、比較するとXPSのが圧倒的に性能が高かった。体感でも差を感じるレベルなので、電源回路の部分にコストがかかっているのだろう。やはり高いものは高いんだと感じた限り。
ファンは普段は回らない、回ると少しうるさい
普段遣い、特にバッテリー運用時はほとんどファンは回らない。しかし、ファンが回るとそれなりに音が出る。
音の傾向としては、高めの音でシュイーンと回る感じ。音は他の機種と比較するとかなり抑えられている。
負荷時の発熱については、キーボード上部はほとんど熱くならないが、裏面は熱々。
また、一度発熱すると熱が引くまでにかなり時間がかかる。背面で吸気を行い、後ろの側面で排気を行う感じだが、排気の空気がどこにも放出されていない。背面がヒートシンクになっている可能性が高い。とにかく、この薄さでは長時間の高負荷な作業は厳しいと考えた方がいい。すべてIntelが悪い。
その他、メモリ32GB、ストレージ1TBと大容量
そして、XPSはメモリが32GBまでと大容量のものを選択できるのも嬉しいポイント。Intel第11世代以降はオンボードメモリになっているため、大容量のものを選択するといい。
ストレージもNVMe SSDで、高速なものが搭載されている。スロットは1つのみなので増設はできない。
ディスプレイ
ここからはディスプレイだ。今回提供していただいたXPSは、3.5K OLED、有機ELディスプレイを搭載している。PCで有機ELはエグい。
最大輝度は400nit。HDR時500nitまで明るくなるらしい。グレア加工だが反射防止のコーティングがされている。自動輝度調整も搭載。
3.5K OLED(本機) | 4K | |
画面サイズ | 13.4インチ 16:10 | 13.4インチ 16:10 |
解像度 | 3456×2160 306ppi | 3840×2400 338ppi |
コントラスト比 | 100,000 : 1 | 1650 : 1 |
最大輝度 | 400nit | 500nit |
色域 | DCI-P3 100% | Adobe RGB100%, DCI-P3 94% |
その他 | ゴリラガラス4 | ゴリラガラス6 |
有機ELは、良い!!
PCで有機ELは本当にロマンがあるが、発色も非常に綺麗。カメラで映すと明確にくっきりと表示されているのがわかる。ちなみに色合いは写真では正しく写っていない。XPSのが緑っぽい。
4K液晶より、断然3.5K有機ELを選べ!
一度4K液晶のXPSもレビューしたが、明らかに有機ELのがくっきりはっきりしている。また、有機ELのが数値よりも明るい。本当にキレイ。
さらに、4KのXPSは最小輝度があまり下げられなかったが、有機ELのはMacと同じくらい最小輝度を下げることができる。これはいいぞ。もし購入する際、液晶と有機ELで迷ったら、絶対有機ELを選ぶように。間違ってもフルHDは選んではいけない。
超極薄ベゼルで没入感が高い
もちろんXPSだから、画面の占有率が高い。殆どが画面になっており没入感が本当に高い。何か一つのことに集中したい場合、XPSはいいぞ。
3.5Kの作業領域は強い
これも繰り返し伝えていることだが、ノートPCに3.5Kの解像度は全く無駄じゃない。上記の画像は、左にVSCode、右に2つブラウザを並べている。解像度が高ければ高いほど情報量を多く載せることができる。あと単純に文字がきれいになるというのもある。
ただ、13インチに3.5Kはマジで目がタヒぬので、定期的に休憩してね。
キーボード・タッチパッド
まだあるぞ。次はキーボード・タッチパッドだ。前述もしたとおり、端ギリギリまでキーボードが来ているのが本当にプラスポイント。
完璧な日本語キーボード
キーボードはXPS15をレビューした際もべた褒めしたが、本当に最高クラス。
海外製PCだと配列がごちゃごちゃになっていることも多いが、真面目な日本語配列なのが本当に嬉しい。XPS13と15で1mmも狂わない感じ、ええやん。
XPS13は本体が薄いぶん、XPS15のときと比較して若干キーストロークが浅く感じた。比較すればの話なのであまり違いはない。
もちろん英語配列も選べる
そしてXPSはUS配列を選択できるというのも本当に嬉しいポイント。まじで日本のメーカーもやってくれ。
高精細タッチパッドも優秀
DellのPCはタッチパッドが非常に優秀である。感度も良好で、追従の違和感などは一切ない。XPS15と比較すると押し込みが少し硬かった程度。
その他のスペック、感想
スピーカーは微妙
XPS15の際は音質が非常によく絶賛していたが、XPS13は本体が小さいこともあり微妙な音質。音が全体的にこもっていて曲を聞くにも違和感があるなと感じた。大きな音は出るので人に見せる際なら必要十分。まあイヤホンで聞くよね。
セキュリティは指紋認証と顔認証
セキュリティ認証は指紋認証と顔認証が用意されている。顔認証は、XPS15のときと比較して「近すぎ」と怒られることが減った。ただ使い勝手は指紋認証のが高いかな。
指紋認証が全く動作しない不具合が発生
これはDell全般に言えることだが、指紋認証が時々おかしくなる。タッチしても認証しなかったり、「指紋認証が搭載されていません」と表示されることも。ハードウェアの不具合はできれば避けたい。
USBも認識しなくなるトラブルも
他にもUSBデバイスが認識しなくなることも。私は外付けのスピーカーをUSB-DACを通して繋いでいるが、全く認識しない事があった。もちろんWindowsの問題かもしれないし、USBデバイス側の問題でもあるから、一概にXPSが悪いとはいえない。参考程度に。
カメラは弱い、マイクは高音質
カメラは720p。比較的明るい場所で撮影したが、全体的にノイズが多く目立っている。
マイクは非常にクリアで綺麗だと感じた。
実際の使用感
ここからは、実際に私が1ヶ月程度使ってみての感想だ。主に私の利用法としては、
- 大学時の課題(Microsoft Office, Zoom、Googleテスト)
- 簡単なプログラミング、ブログ作成、日記
要するにブラウザベースの作業になる。全くメモリ32GB等を活かしきれなくて悲しい。
デザインが最高
まずはもうデザインに尽きる。アルミ筐体で美しく、黒ベースでクールな内部。Macと勘違いしてくれるかもしれない。
13インチの中で最高クラスにコンパクト
XPSは超極薄ベゼルで本当にコンパクトである。リュックからサッと取り出してすぐに作業を開始できるし、膝の上でPCを使うことも容易。小さいは正義。重量は1.2kgだが、意外とこの重さを感じづらいくらいに薄くて小さい。可愛い。
外付けデバイスがいらないくらい快適
XPS13はUSB-Cからディスプレイ出力が可能なため、写真のように外部ディスプレイ環境を一発で構築することができる。
また、キーボードが本当に使いやすいから、現在はそのままノートPCのキーボードを使って操作している。横にHHKBやタッチパッドも用意しているが、それすら現在に至ってはホコリをかぶっている状態。これでええんやな。
キーボードが快適
キーボードは人によって向き不向きがあると思うが、私はXPSのキーボードが最もしっくり来ている。本当に使いやすい。タイピングするのが楽しくなっている。
ちなみに、普段ノートPCでタイピングをする際は、PCを傾けてタイピングをすると生産性向上につながる。Dellのは後に返すためはらないタイプを、Macには貼り付けるタイプのスタンドを運用している。
サクサク軽快な動作
モバイル向けCPUであるが、十分高性能。ブラウザで重いと感じるシーンは一切なく、サクサク。いい時代になった。
バッテリー持ちはまあ普通
より良いバッテリーでブラウザを複数並べながら作業をしたところ、2時間で100%→60%に。つまり、5時間はバッテリーが持つ計算。なんとも言えない電池持ちだが、Windowsなのでそんなもの。
また、XPSは3.5Kの解像度を持っており、CPUに負荷がかかりまくりであるため、十分検討している、のか?
その他、バランスモードでマイクラを90分やっていたところ、83%→18%。65%減。マイクラ時は2.5時間バッテリーが持つ計算。ちなみにより良いバッテリー、解像度を変更しても40~60fpsをキープしていた。
急速充電が遅め
XPSを使っていて気になったが、急速充電が45Wまで。最近のモバイルノートPCは65Wの急速充電が可能だが、XPS9310は発熱の関係なのか充電速度が控えめになっている。バッテリー容量は55Whと比較的多いため充電時間が長めだと感じた。
総評:非の打ち所がないモバイルノートPC
デルアンバサダープログラムには本当に感謝。短い期間にXPS15, XPS13をレビューできたのだから、本当に満足。また頼むね。
今回のXPS13も完成度が高すぎる。XPSの魅力がこんなに小さなデバイスで完結するんやな。可愛い。
XPSは私の推し
皆さんは「推し」という言葉、概念をご存知だろうか。ざっくりいうと、その人のことを好きで好きで仕方がない状態、常に没頭している状態を指す。そして、私の推しが今目の前にいる。こんなに幸せなことがあるだろうか、いや、ない。
買うべき人、買うべきでない人
最後に、XPS13を買っていい人、買ってはいけない人を私なりに考えたので紹介する。ただ、現状第11世代でXPS 9310は存在しない。第12世代Intel CPUを搭載したXPS 9315, そして全くデザインの異なるXPS Plus 9320から選ぶようになる。
買うべき人:MacかWindowsか迷っている人
これはXPS15のレビューのときにも言ったが、基本的に迷ったらWindowsにするのが無難だ。世界の標準はWindowsであり、世界の80%近くの人はWindowsを使用している。でも日本でよくMacを見かけるのは、それはみんながドヤりたいから。
買わない方がいい人:ゲームをメインにやる人
第12世代Intelは非常に高性能になったが、所詮は内蔵GPUなのでゲームには向かない。また、XPS自体そこまで冷却能力が優れているわけではないから、ゲームをやるならそれに特化したPCを購入するといい。
買うべき人:大学生、新社会人
初めてWindowsを購入したいが、PC選び、そしてPCで何をやろうか右も左もわからないのであれば、XPSがおすすめ。デザインが最高クラスにいいから、PC操作が下手でも触れたくなるで。まあそれは言いすぎかもしれないが、少なくともこれを購入して後悔することはまずないので安心して購入してほしい。
待ったほうがいい人:低予算、コスパ重視の人
特に現在は円安や第12世代Intelのボッタクリによって、現行機種の値段が極端に高い。XPSは元々高価な部類のPC名だけあり、価格に対するボトルネックが多い。
更に言うと、XPSは端子がUSB-Cのみとなっているため、USB-Cから拡張するためのハブなどを購入しないとフルの性能を発揮できない。少しずつ買い足すのは全然あり。
XPSは私の推し
今回はXPS13を紹介した。現在もXPS13でブログを書いている(2022/07/11現在)が、メインのMacに戻れないくらい快適。あと1週間で返してしまうのか、と思うと悲しくなってしまっている。上記までで推しを語っていたが、最近は大学生活や課題などに追われてPC(ハードウェア)をたんまりと見る機会が減ってしまっている。最低限画質とキー配列だけ必要十分を満たしていればいいかな、と思ってみたり。
ということで、皆さんも理想的なPCを探してみてはいかがだろうか。では、良きPCライフを!